その蜩の塒2

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

秋田県立大学公開講演

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 東大名誉教授にして、2020東京オリンピックパラリンピック文化教育委員会委員長の青柳正規氏の公開講演を聴いてきました。お題は「2020東京オリンピックは地方創生の切り札になるか?~ローマ帝国の歴史に学び、秋田の未来を読む~」。

 ローマ帝国に関してはほとんど無知ですが、紀元前なのに道路や水道などインフラ整備には目を見張るものがあります。その時代に既にキャリアパスが存在したというのも驚きでした。また余剰生産物を木造船で不足している都市部へ運搬することによって、戦争を減らしたのも長期政権維持に寄与してますし、何より軍事費がGDP比2.5%程度だったことも大きかったようです。その軍事費が4%代になったことが衰亡の原因のひとつということでしたが、肝心の銀貨の改鋳によるインフレには言及されませんでした。

 日本に照らし合わせると防衛費が増えているのが懸念材料で、国の借金が1,090兆円弱でも家計金融資産が1,800兆円なのでまだもっている状態。ところが東日本大震災にかかった費用が25兆円だったものが、南海トラフだと220兆円という試算。となると外資に頼らざるを得なく、途端に危機的状況に。またIMFによる一人当たりの名目GDPが、2000年に2位だったものが25位へ凋落。全体だと3位なんですけど。やはり高齢化が原因のようです。

 結論的にはオリンピックを契機に飛躍していこう、ということだと思いますが、都市と地方の乖離を少なくし、地方の文化・祭りを大事にする、では期待論にすぎません。おそらく、東京オリンピックの広報メッセージ「みんなの輝き、つなげていこう」に沿ったものなんでしょう。英語だと“Unity in Diversity”。Diversityは多様性なので、英訳としてはちょいと苦しい感じがします。

PS;「ほぼほぼ」って言う人増えてますね。私は嫌いな言葉なのであえて「ほぼ」というようにしてます。ってか「ほぼ」自体使うことはまれですけど。もうひとつ、デイライトというみたいですが、日中LEDライトを付けて走ってる車。嫌味を感じてしまいます。