バートレット・アカデミーを首席で卒業し、いよいよ二等航海士として新造船フランクリン号でニューベッドフォードからアジアへ向けて出帆することに。今回の目的は、鯨油をとること以外に珍品や民芸品の収集活動も行うというもの。途中ボストンで3泊しバートレットの学友ジム・ピーターを訪ねますが、宗派の違いもあり歓迎されませんでした。つまりジョンマンはユニテリアン(本書ではユニタリアン)だったため、ピーター家のカトリック(本書カソリック)とは相容れませんでした。プロテスタントに対してはもっと反発が大きいようですが。
でもジムがハーバード大図書館から借りてきたログ(航海日誌)に、21日間凪で停滞した折、水が腐りそれを飲んだ乗組員の中には死に至った者もいた、という情報により浄水樽を作ることに。これが長い航海で大いに寄与しました。
案の定凪が発生した折には、ウミガメ捕獲イベントがあったり、雷多発で寄港地をダーウィンからチモール島クーパンへ変更することになります。ニューアイルランド島では珍品の収集を巡って意見が分かれ、結局それを機に船長は体調を崩します。一応グアム島アガニア港へは寄港しますが、日本沖での捕鯨は次巻ということになります。
物語は宇佐浦での出来事と並行して書かれていて、「志を」の塩加減が絶妙なアジとサバの一夜干しは何度も登場しますが、その度に旨そうで食べたくなりました。
前半の100ページぐらいまでは退屈でしたが、後半は俄然面白くなりました。おそらく次巻で最終巻と思われますが、そろそろ出版されてもいいのでは!?