その蜩の塒2

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

ジョン・マン6順風編

バートレット・アカデミーを首席で卒業し、いよいよ二等航海士として新造船フランクリン号でニューベッドフォードからアジアへ向けて出帆することに。今回の目的は、鯨油をとること以外に珍品や民芸品の収集活動も行うというもの。途中ボストンで3泊しバー…

津軽双花

【津軽双花】陸奥国弘前藩主津軽信枚(のぶひら)に正室として嫁した石田三成の三女辰姫(大館御前)は、太閤正室北政所の養女であり、のちに正室となった満天姫は家康の養女であったことから、女人の関ヶ原として捉えられています。しかしながら当人同士は…

青嵐の坂

架空の藩、扇野藩が舞台。時代背景はおそらく天保年間を想定したもの。例によって、飢饉により財政が逼迫し、再建の切り札として藩札を発行することになりますが、それを巡って富商や家老らとのかけひきが繰り広げられます。 藩札会所が焼けた際、版木は焼失…

千鳥舞う

博多八景を描く女絵師・箭内(やうち)里緒(号:春香)が主人公。葉室作品は天保時代が多いですが、今回もそれ。飢饉が多くどこの藩も財政が逼迫していましたが、福岡藩では、御救奉行に改革の立案者である白水養禎(しろうずようてい)を起用するも、結局…

「空と山のあいだ」

図書館員に「今女性が返したばかりの本ですが、読んでみませんか?」と声をかけられ借りることに。大館鳳鳴高校の岩木山遭難の本は40年も前に読んだことがありますが、これほど詳しくは書かれてなかったと思います。この本自体20年前に出版されたノンフ…

雨と詩人と落花と

江戸時代末期のことで、広瀬淡窓が営む私塾咸宜園(かんぎえん)と八歳年下の弟久兵衛は、「霖雨」にも登場しました。今回の主人公は子どもがいない淡窓の養子となった旭荘が主人公。儒学者であり漢詩人なので小説にも漢詩が登場し、読みにくく内容的にも難…

玄鳥さりて

葉室麟遺作のこの作品は、藤沢周平「玄鳥」のオマージュと言われています。似たような言葉では、インスパイア、リスペクト、サンプリング、バロディ、パクリ、引用等々あるわけで、裁判沙汰になるかは微妙な関係にあります。九州の架空藩蓮乗寺藩の書院番三…