秋田県立大で、2015年ノーベル生理学医学賞を受賞された大村博士の講演を、1時間半聴講してきました。
熱帯・亜熱帯地域では、ハエや蚊が媒介する感染症が多いです。オンコセルカ症は、病原体をもったブユに刺されることで広がる感染症で、回旋糸状虫という寄生虫によって引き起こされます。別名河川盲目症とも言われ感染すると失明に至ります。この感染症に対してメクチザンの無償提供により、4千万人を治療し60万人の失明を防いだと言われており、失明がなくなることで生産性の向上・改善にも寄与しています。
また、リンパ系フィラリア症は、フィラリアという寄生虫を病原体とし、熱帯・亜熱帯地域では1億2千万人以上が感染し、象皮病などの身体障害を発症させます。この感染症へもメクチザン(イベルメクチン)が無償提供されております。
講演で出た話ではないですが、蚊にさされるのを未然防止するという点では「蚊取り線香」も大いに役立っている、ということを聞いたことがあります。
その他世界中で3,500万人が感染している糞線虫症や、毎年1億3千万人が感染する疥癬などがあります。今後の標的は「マラリア」とのこと。撲滅に向けた取り組みを促進してもらいたいものです。