その蜩の塒2

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

Dr.コトー診療所

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて元旦にDr.コトー診療所を観てきました。ロケ地の志木那島は与那国島ですが、沖縄本島とは520kmも離れているのに、台湾とは110kmで尖閣諸島より近いんですよね。台湾有事の場合は、相当ヤバイ距離です。

 もっとも印象的なのは、明暗のつけ方です。屋外はのんびり、ゆったりした時間が流れているような風景なのに対して、屋内は暗め。陰影をつけることによって緊張感、切実さ、あるいは固唾をのむような間合いが生きてきます。それは台風のシーンでの夜間の人々の動きにも言えると思います。それにしても場面が切り替わる度、大音量の雨風音はしつこ過ぎるぐらいでした。

 冒頭剛洋(たけひろ)の父親原剛利(時任三郎)は、メカジキに足を刺されますが、あり得ない事故ではないようでそれだけ危険な魚だということです。ちなみにカジキマグロとメカジキは同じです。

 離島の医療問題も取り上げられていました。一人の医師に頼りきってしまったがゆえに、コトー先生の病気が引き起こされたんでは?という一場面もありました。山間部の僻地医療でも同じことが言えます。

 そして話題になりましたが、16年前子役だった「りゅう(神木隆之介)とたけひろ(富岡涼)」の再登場です。最後の方で剛洋が白衣を着て顕微鏡を覗いているシーンがありましたが、カミサンは医学部ではなく研究施設なのではと言ってました。そこは医学部に再挑戦したと捉えるのが自然だと思います。

 キャストで一番感動したのは彩佳(柴咲コウ)の母親、昌代(朝加真由美)です。半身麻痺になり左手でだし巻き玉子を作る場面は、息するのを忘れてました。それにしても重雄(泉谷しげる)は出過ぎでしょ。

 ラストシーンは、そのまま受けとるとハッピーエンドですが、西野那美(生田絵梨花)の祖母美登里の手術後のコトー先生のつぶやきを聞けば、実は未来像であろうという解釈が成り立ちます。よちよち歩きの子どもを抱き上げた時の光の注ぎ方からしてもそう思われます。