その蜩の塒2

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

ロストケア

 今年は鉄粉の付き方が激しく、自分で粘土や鉄粉クリーナーを使ってやってみたものの完全には取り切れず。なので業者にお願いしました。鉄粉取りの他にボディとガラスのコーティング込みで2万4千円ほど。1日かかるとのことで代車をお借りし、映画を観てきました。

 んー、色々と考えさせられる映画でしたね。主人公の松山ケンイチ(青森出身)は、北海道へ移住し仕事の度に上京しているとのこと。田舎時々都会は、私もだいぶ前から理想とすることでした。私の場合、都会に住んでいるだけで精神的にズタズタになることだらけでした。私の若い頃は酒やギャンブル、風俗に逃げるしかなく、今思えば最悪でした。

 脱線しましたが、本編は介護が焦点。ヤングケアラーなど問題点が指摘されているだけで、具体的な施策はないまま。高齢者の場合は、特養へと簡単に言いますが、本人が行きたがらない場合が多く、月々の支払経費が年金を上回っている方が多いと聞きます。映画の舞台設定が、姨捨山の本拠地長野県であることは皮肉です。

 映画に話を戻しますと、大友秀美(長澤まさみ)は自身も認知症の母をかかえているので、幾ばくかは殺人犯斯波宗典(松山ケンイチ)の言い分も理解できているようでしたが、検事という仕事柄肯定することはできないというジレンマはもどかしかったです。キャストの坂井真紀52歳、戸田菜穂49歳は、年はとっても流石に女優という感じがしました。

 映画でも語っていましたが、生活保護受給の関門も難しく、介護のために若くして離職した場合は、少ない親の年金を頼りに生きるしかありません。さらに痴呆症が進んで、徘徊、罵声、暴力等があった場合、筆舌に尽くしがたい状況であるにも関わらず、他人に相談できず、一人悶々と悩むという負の連鎖を招きます。

 朝のルーティーンと捉えるとそれまでですが、一例として(我が家の場合)4:30に起き、朝食から夕食までの3食を作り置き。起きてすぐには排泄介助。12回対応のパッドというのがありまして、朝までOKなので随分重宝しました。主食はおかゆで、塗りのスプーンが抜けがよく介助しやすかったです。食材によってはミキサーで超きざみにしたり、みそ汁やお茶にトロメリンを溶かし喉越しよくします。それをカミサンと分担し、昼はヘルパーに来てもらってました。

 週1回の買い物も苦痛ですね。田舎の場合、スーパーまで片道45分ほどかかりますから。長生きが迷惑と考えている方も相当数いるかと思います。